プライマー配列の選択
PCRを行うには、標的DNAに特異的に結合する2種類の一本鎖合成DNA(ForwardプライマーとReverseプライマー)が必要です。これらが鋳型DNAにアニーリング(結合)し、DNAポリメラーゼによる伸長が起こることで、目的のDNA領域が増幅されます。
プライマーは、標的DNAの上流側(5’側)でセンス鎖を、下流側(3’側)でアンチセンス鎖を選びます。
プライマーは、標的DNAの上流側(5’側)でセンス鎖を、下流側(3’側)でアンチセンス鎖を選びます。
プライマー設計の基本ポイント
- サイズ
- 通常は20~25 merのプライマーを使用します。
- 10 kb以上の長鎖を増幅する場合、25~35 merのプライマーで良い結果が得られる場合があります。
- 2つのプライマーが互いにアニールしないように設計します。
- 特に3’末端の3 base以上の相補的配列を避けることで、プライマーダイマーの形成を防ぎます。
- 二次構造の回避
- プライマー自身が自己相補配列を持たないようにします。
- ヘアピン構造などが形成されると、反応効率が低下します。
- GC含量
- GC含量が40~60%となるように設計します。
- 3’末端がGCリッチ、ATリッチにならないように注意し、鋳型DNAとの安定した結合を目指します。特に、プライマーの3’側10塩基のGC含量が高くならないように配慮することで、より特異的な増幅が期待できます。
- 3’末端の塩基はミスプライミングの頻度が高いTを避けることをお勧めします。
★3’末端はTを避け、G/Cがおすすめです。Tの場合、ミスマッチでもプライミングしてしまう確率が上がります。
- Tm値は、二本鎖DNAの50%が一本鎖DNAに解離する温度(melting temperature)です 。
- PCR条件に適したTm値のプライマーを設計することが大切です。Tmの設定は使用するPCR酵素の推奨条件に従ってください。一般的には55~60℃の範囲を目安とします。
- ForwardプライマーとReverseプライマーのTm値が大きく異ならないようにします。
- GCリッチなターゲットの場合、Tm値が60℃を超えるプライマーを推奨します。また、10 kb以上の長鎖を増幅する場合はTm値が65℃以上になるようにします。
- Tm値の計算は、専用ソフトウェアを使用することも可能です。
★プライマーのTm値はアニーリング温度を決める上で参考になります。一般にTm値に対し低すぎるアニーリング温度を設定すると、ミスプライミングに起因する非特異的増幅産物やスメアが増加し、目的増幅産物が減少する場合があります。プライマーのTm値に対し高すぎるアニーリング温度を設定すると、プライミング効率が低下し目的増幅産物が減少します。
★ForwardプライマーとReverseプライマーのTm値の差が大きいものは避けることが理想ですが、それぞれのプライマーのTm値が異なる場合は、低いほうに合わせてアニーリング温度を設定します。PCR産物が得られない場合は温度を下げ、非特異増幅産物が現れる場合は温度を上げるようにします。
★Tm値の簡易的な計算方法(一例)
Tm値=4×(G, Cの数)+2×(A, Tの数)+35-2×(総塩基数)
Tm値 = 60.8+0.41×(GC%)-(500/総塩基数)
プライマーの長さが25 merを超える場合はプライマー設計ソフトを利用して Tm 値を算出することをお勧めします。
★プライマー設計用ソフト
Primer3(https://www.primer3plus.com/)
OLIGO Primer Analysis Software(Molecular Biology Insights社)
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