プライマー濃度とモル数の計算
プライマー濃度はPCRの成否を左右する要素の一つで、プライマーを適切な濃度で使用することがPCR成功の鍵となります。
プライマーのモル濃度は、OD260値がわかれば、プライマーの塩基組成と長さをもとに計算できます。正確にはブライマーを構成しているヌクレオチド残基のモル吸光係数の総和を求める必要がありますが、4種類の塩基のモル吸光係数の平均値を用いた簡易計算式を利用することもできます。多少正確さには欠けますが、実際の使用にはほとんど問題ありません。
モル濃度[M] = OD260×希釈倍率 10,600×プライマーの長さ
※M=mol/L
また、プライマーの分子量と重量濃度からモル濃度を求めることもできます。
モル濃度[M] = 重量濃度(g/L) 分子量(g/mol)
分子量は、正確にはプライマーを構成しているヌクレオチド残基の分子量から算出しますが、塩基の平均分子量を330 g/molとして塩基数×330の式で簡易計算すると便利です。
モル濃度[M] = 重量濃度(g/L) 塩基数×330
モル濃度[μM] = ng/μl×103 塩基数×330
- 濃度が高すぎる場合:非特異的反応が増え、コストも無駄に。
- 濃度が低すぎる場合:増幅量が減る、あるいは増幅反応が全く起こらない。
プライマーのモル濃度は、OD260値がわかれば、プライマーの塩基組成と長さをもとに計算できます。正確にはブライマーを構成しているヌクレオチド残基のモル吸光係数の総和を求める必要がありますが、4種類の塩基のモル吸光係数の平均値を用いた簡易計算式を利用することもできます。多少正確さには欠けますが、実際の使用にはほとんど問題ありません。
モル濃度[M] = OD260×希釈倍率 10,600×プライマーの長さ
※M=mol/L
また、プライマーの分子量と重量濃度からモル濃度を求めることもできます。
モル濃度[M] = 重量濃度(g/L) 分子量(g/mol)
分子量は、正確にはプライマーを構成しているヌクレオチド残基の分子量から算出しますが、塩基の平均分子量を330 g/molとして塩基数×330の式で簡易計算すると便利です。
モル濃度[M] = 重量濃度(g/L) 塩基数×330
モル濃度[μM] = ng/μl×103 塩基数×330
使用濃度の目安
一般的なプライマーの至適濃度は、反応液中の最終濃度 0.2~1 μMです。
(実際の使用濃度は酵素の推奨条件に従ってください)
プライマーを購入したら100~200 μM(100~200 pmol/ μl)程度のストック溶液を作り、-20℃で保存すると便利です。実際に使用する際は10~20 μM程度の溶液が使いやすいので、ストック溶液の一部を5~10倍希釈して使用します。プライマー希釈液も-20℃保存が可能です。全量を希釈するのではなく一部をとって希釈することがポイントです。
プライマーの溶解・希釈には滅菌TEバッファーまたは滅菌精製水を使用します。
(実際の使用濃度は酵素の推奨条件に従ってください)
プライマーを購入したら100~200 μM(100~200 pmol/ μl)程度のストック溶液を作り、-20℃で保存すると便利です。実際に使用する際は10~20 μM程度の溶液が使いやすいので、ストック溶液の一部を5~10倍希釈して使用します。プライマー希釈液も-20℃保存が可能です。全量を希釈するのではなく一部をとって希釈することがポイントです。
プライマーの溶解・希釈には滅菌TEバッファーまたは滅菌精製水を使用します。
Degenerateプライマー
アミノ酸配列情報からプライマーを設計する場合や、既知の遺伝子に関連するファミリー遺伝子を探索する場合、異なる生物種で保存されている遺伝子領域を増幅する場合には、プライマー合成時に複数の塩基を混合して作製することで、可能性のある塩基配列をすべて、あるいは複数含むよう設計されたDegenerateプライマーを使用します。Degenerateプライマーの設計には下記の混合塩基記号を用います。
混合塩基は複数の配列に対応できて便利ですが、多用するとプライマー配列の種類が多くなり、それぞれの配列の濃度は低くなって特異性が低下します。
例:プライマー配列中にN(A, G, C, T)が2ヵ所含まれる場合、合成されるプライマーの種類は、4×4=16種類となり、それぞれのプライマー配列の濃度は理論上1/16となります。
プライマーの種類が多くなりすぎる場合は、4種類の塩基に対応する部分に代替塩基としてイノシン(I)を用いることも有効です。ただし、イノシンを含むDNAを鋳型として使用できないPCR酵素もあるため、注意が必要です。
<設計時の留意点>
混合塩基記号
| 記号 | R | M | W | S | Y | K | H | B | D | V | N |
| 塩基の種類 | A, G | A, C | A, T | C, G | C, T | G, T | A, T, C | G, T, C | G, A, T | A, C, G | A, C, G, T |
混合塩基は複数の配列に対応できて便利ですが、多用するとプライマー配列の種類が多くなり、それぞれの配列の濃度は低くなって特異性が低下します。
例:プライマー配列中にN(A, G, C, T)が2ヵ所含まれる場合、合成されるプライマーの種類は、4×4=16種類となり、それぞれのプライマー配列の濃度は理論上1/16となります。
プライマーの種類が多くなりすぎる場合は、4種類の塩基に対応する部分に代替塩基としてイノシン(I)を用いることも有効です。ただし、イノシンを含むDNAを鋳型として使用できないPCR酵素もあるため、注意が必要です。
<設計時の留意点>
- コドン数を減らす:なるべくコドンの種類が少ないアミノ酸の組み合わせを選び、プライマー配列の種類は約1,000(~2,000)以内に抑える
- 3'末端は混合塩基を避けて特定塩基にする:DNA合成の原理上、3'末端を混合塩基にすることは難しい
制限酵素認識配列付加プライマー
プライマーのアニーリングには3’末側の配列が重要で、プライマーの3’側が鋳型にアニーリングしていれば、5’側に鋳型と相同性のない配列があっても増幅にはほとんど影響を与えません。このことを利用して、プライマーの5’側に任意の配列を導入することができます。
例えば、それぞれのプライマーの5’末端側に異なる2種類の制限酵素認識配列(例:EcoR I、Hind III)を付加して増幅すると、両末端を異なる制限酵素で切断可能なPCR産物が作製でき、ベクターのクローニングサイトに意図した方向にクローニングすることが可能です。 なお、制限酵素を選ぶ際には、PCR産物の内部を切断しないことを確認してください。
例えば、それぞれのプライマーの5’末端側に異なる2種類の制限酵素認識配列(例:EcoR I、Hind III)を付加して増幅すると、両末端を異なる制限酵素で切断可能なPCR産物が作製でき、ベクターのクローニングサイトに意図した方向にクローニングすることが可能です。 なお、制限酵素を選ぶ際には、PCR産物の内部を切断しないことを確認してください。
- PCRで制限酵素認識配列を導入する利点:異なる制限酵素切断部位を導入することで、増幅産物の挿入に方向性を持たせ、セルフライゲーションを防ぎ、クローニング効率を向上できる。
- 付加方法と注意点:プライマーの5′側に認識配列を追加する。この時、認識配列の5′側にさらに数塩基の任意配列を付加しておく。
二本鎖DNA断片の末端は部分的な熱変性により解離と融合を繰り返しているため、制限酵素認識配列が末端にあると酵素が働きにくくなります。末端に数塩基の任意配列を加えると酵素作用が安定します。
まとめ
プライマー設計はPCR成功の鍵です。基本設計に加え、濃度管理や特殊設計を工夫することで、より高精度な実験が可能になります。
ぜひ今回のポイントを参考に、実験の再現性と効率を高めてください。
なお、今回はPCR産物に制限酵素認識配列をする付加する例をご紹介しましたが、同様に、アダプター配列やタグ配列、In-Fusionクローニング用の相同配列をプライマーに付加することも可能で、様々な用途に応用できます。
ぜひ今回のポイントを参考に、実験の再現性と効率を高めてください。
なお、今回はPCR産物に制限酵素認識配列をする付加する例をご紹介しましたが、同様に、アダプター配列やタグ配列、In-Fusionクローニング用の相同配列をプライマーに付加することも可能で、様々な用途に応用できます。
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ueharay