2024年3月11日 更新

今さら聞けない!「In-Fusionクローニング」ってなに?


・今さら聞けないIn-Fusionクローニング

突然ですが、In-Fusionクローニングをご存知ですか?
何となく名前を聞いたことはあるけれど詳しくは知らない・・
隣のラボの方が使っているが、操作性や結果までは聞けていない・・
など、その存在は知っていてもどんなものか知らない方も多いのではないでしょうか。
今回、何となく気にはなっていながらも聞きそびれている皆さまに、「今さら聞けないIn-Fusionクローニング」と題し、簡単にご紹介いたします。

・In-Fusionってなに?

私が学生のときの遺伝子クローニングといえば、まず、PCR産物とプラスミドベクターを制限酵素で処理した後、ライゲーション・形質転換を行い、得られた組換え大腸菌コロニーをスクリーニングして、、、目的クローンを取得するまでに合計3日かけていました。100%成功するわけではないので、取得まで1ヵ月以上かかったこともあり、「もっと手軽にクローニングできればなあ・・」と悩みながら実験していました。実は、そのようなお悩みを解決する製品こそがIn-Fusionなのです!
In-Fusionは、PCR断片と線状化ベクターの両末端15塩基の相同配列を利用して効率よくクローニングする技術です。制限酵素やライゲーションキットによる切り貼りが一切必要なく、In-Fusion反応自体もわずか15分で完了するため、制限酵素/ライゲーションを使った手法に比べると、実験時間をなんと約1日短縮することができます!また、一挙に複数の断片を挿入するマルチクローニングも可能なので、作業を大幅にカットできます。
さらに、クローニングの成功率も高く、短鎖から長鎖(50 bp~15 kbp)のDNA断片を95%以上の高効率でプラスミドにクローニングできます。
クローニングしたい場所を起点にインバースPCRで任意のベクターの線状化を行い、そのベクターの両末端15塩基の配列を利用して目的断片の挿入ができるため、制限酵素などが一切要りません。
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・In-Fusionクローニングの流れ

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・他社同タイプ製品との違いは?

In-Fusionのアドバンテージはどこでしょうか?それはズバリ「正確性」です!他社製品では、クローニングの際にエラーを生じる場合がしばしばありますが、原理の違いからIn-Fusionは非常にエラーが起こりにくく、その結果目的クローンの取得効率が高くなります。
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・まとめ

最後に、改めてIn-Fusionの特長をおさらいします。

 どんなベクターのどんな位置にもディレクショナルクローニングが可能
 短鎖から長鎖(50 bp~15 kbp)まで、95%以上の高効率で効率よくクローニング
 一挙に複数DNA断片を挿入する、マルチクローニングも可能
 In-Fusion反応はわずか15分で完了

クローニングの成功率少しでも上げたい方やクローニングにかかる時間を少しでも減らしたいという方は、ぜひ一度「In-Fusionクローニング」お試しください!
製品名 容量 製品コード
In-Fusion Snap Assembly Master Mix 10回 638947
In-Fusion Snap Assembly Master Mix with Competent Cells 10回 638951
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