2024年3月12日 更新

純度と収量どっちが大事? Hisタグタンパク質精製用レジン コバルト vs ニッケル


・Hisタグタンパク質の精製について

Hisタグタンパク質精製は、その利便性から多くの研究者に利用されており、固定化金属アフィニティクロマトグラフィー(Immobilized metal affinity chromatograph:IMAC)レジンでの精製が一般的です。 Hisタグ精製用レジンには、コバルト(Co2+)やニッケル(Ni2+)をはじめとする様々な金属コアをベースとしたものがあります。
では、自分の実験系に最適なHisタグタンパク質精製レジンはどのように選べばよいのでしょうか? その答えは、下流の実験において純度収量のどちらを重要視するかで決まります。
コバルト/ニッケルベースIMACレジンのヒスチジンへの結合能や特異性は、結合部位にある各金属イオンの空間的配置によって異なります。コバルトベースレジンは特異性が高く、より高純度の精製が可能です。一方ニッケルベースレジンは高い結合能を持っているため、高収量の精製が可能です。

固定化金属イオンの特異性と吸着性


・コバルトをベースとしたレジン


特長
・高純度の精製が可能
・Hisタグタンパク質に対する
 高い特異性
おすすめの用途
・結晶構造解析
・機能解析
・構造研究


コバルトベースレジンの結合部位は、ヒスチジンの空間的配置 に対して厳密な要求性を持っており、ヒスチジンが連続した配 列やヒスチジンが空間的に隣り合って並ぶ配列を持つタンパク 質のみが結合部位のコバルトと結合することができるため、高純度に精製ができる一方、収量は低くなります。結晶構造解析機能解析などの高感度分析法で高純度のタンパク質が必要な 場合は、コバルトベースのレジンをおすすめします。

製品名 容量 製品コード
TALON Metal Affinity Resin 10 ml 635501
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