2023年9月7日 更新

アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる遺伝子導入実験 よくあるご質問Part2

本ブログでは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる遺伝子導入実験の中でお問い合わせが多い項目をピックアップしてご紹介します。

Q5. AAVpro Helper Free System で作ったAAVベクターのタイターが低い!

AAVpro Helper Free Systemを用いてタイターが上がらない場合の主な原因として下記が考えられます。

Q6. 標的細胞への感染には、特別な試薬は必要?どれくらいの量のベクターを感染させたらいいの?

標的細胞への感染には、特別な試薬は必要ありません。
感染時のMOI(Multiplicity of Infection:細胞に対するウイルスベクターの比率)は、1×104~1×105の範囲をお勧めしています。
仮に6 well plateに105 cells程度の細胞を播種した場合、1ウェルあたり109~1010 vg程度のウイルスを添加するとMOIは1×104~1×105になります。

Q7. AAVpro Purification Kit Maxi/Midi (All Serotypes)の性能は?

AAVpro Purification Kit Maxi (製品コード 6666)の場合、T225フラスコ5本から精製すると最大で1012 vg~1013 vgのウイルスが得られます。
AAVpro Purification Kit Midi(製品コード 6675)の場合、T225フラスコ1本からMaxi Kitの1/5量2×1011~2×1012 vgが得られます。
精製キットの収率は初発の未精製ウイルスに対して概ね20~40%です。このウイルス量は発現する遺伝子の種類や、トランスフェクション効率、その他の要因によってかなり差がでることが予想されます。必要量に対して余裕をもって精製することをお勧めします。
サンプル量が多すぎると濃縮時に目詰まりしたり、AAVが凝集したりします。また、少なすぎると精製ロスが多くなりますので、適切な量のサンプルを使用することをお勧めします。
弊社のWEBサイトでは AAVの作製や精製の動画も紹介しています。こちら

AAVpro Purification Kit Maxi (製品コード 6666)はAAV産生細胞からAAVベクターを精製するのに対して、AAVpro Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes) (製品コード 6676)はAAV産生細胞と培養上清の両方から同時にAAVベクターを精製します。AAVのセロタイプによっては、培養上清にも多くのAAVベクターが産生されます。
なお、AAVpro Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes) を使用する場合は、AAV ベクター作製用プラスミドの細胞へのトランスフェクション後は無血清培地を使う必要があります。血清培地を使用すると精製効率が下がります。

Q9. AAVpro Cell & Sup. Purification Kit Maxi(All Serotypes)で精製する場合に使用する無血清培地のお勧めは?

FBS不含DMEMの使用をお勧めします。抗生物質は含まれていても問題ありません。

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