2022年6月30日 更新

PCR実験でDNAコンタミネーションを防ぐための7つのヒント

PCR実験におけるDNAコンタミネーション対策についてご紹介いたします。

あなたのPCR実験をDNAコンタミネーションから救う

PCR実験の成功は、遺伝子型判定、NGSライブラリー作製、シングルセル研究、臨床サンプルの高感度分析など、多くの研究の根幹を成します。PCR実験がうまく成功しなければ、その影響は研究全体に及ぶ可能性があります。

PCR実験がうまく行かず、それまでの努力が無駄になるケースは多くあります。原因の一つとしてPCRサンプルのDNAコンタミネーションによる汚染があります。実験室に放置されている増幅産物から自分自身のDNAまで、DNAのコンタミネーションが発生する可能性はどこにでも潜んでいます。幸い、このような通常のコンタミネーションは、シンプルな方法で防ぐことができる場合がほとんどです。
本記事では、DNAコンタミネーションを防ぐ方法を7つご紹介します。
1. サンプル調製、PCR実験のセットアップ、PCR実験後の解析について、それぞれ実施エリアを別々に分けてください。以前の増幅産物からの汚染を防ぐには、PCR実験前(PCR反応のセットアップのみ)とPCR実験後(PCRで増幅したDNAの精製、DNA濃度の測定、アガロースゲル電気泳動、PCR産物の解析)のステーションを別々の実験台に設置してください。
2. 装置を各エリア内に制限してください。PCR装置と電気泳動装置は、PCR実験後エリアに設置してください。
図1 PCR実験時のエリア分け例

図1 PCR実験時のエリア分け例

3. PCR実験に使用する試薬は別々に調製及び保管し、指定された目的にのみ使用してください。試薬を少量に小分けし、PCR実験前又はPCR実験後のいずれに使用するかによって、該当するエリアに保管してください。小分けにした試薬は、他のDNAサンプルとは別に保管してください。
4. ピペット、ピペットチップ、実験用白衣、グローブボックス及びゴミ箱は、PCR実験前エリアとPCR実験後エリアで別々のものを使用してください。NGSライブラリー作製時には、DNAコンタミネーション除去試薬で実験台とピペットを拭いてから開始してください。
弊社ではDNAコンタミネーション除去試薬「DNA-OFF(製品コード:9036)」をご用意しております。
製品の詳細はこちらからDNA-OFF
5. DNAサンプルの調製及びPCR反応液調製にはエアロゾルフィルターが付いた専用のピペットおよびピペットチップを使用してください。
6. PCR実験の鉄則「PCR実験後エリアで使用した試薬、装置又はピペットをPCR実験前エリアに持ち込まない」を遵守してください。この鉄則は、実験ノートやペンについても同様です。どのエリアの実験用品か分かるように、PCR実験前とPCR実験後の用品にラベルを貼付してください。
7. 高感度のアッセイはコンタミネーションの影響を受けやすいため、PCRサイクル数は最低限に抑えてください。

下流工程に影響を及ぼす前にPCR汚染を検出

コンタミネーションがないことを確認するために、テンプレートDNAを含まず、超純水で置換したネガティブコントロール反応を必ず行ってください。(レーン上にバンドがなければ、汚染は起きていません。)
図2 ネガティブコントロールによる確認

図2 ネガティブコントロールによる確認

鋳型DNAの代わりに水を添加した陰性コントロールの反応を行い、何も増幅しないことを確認する。

最後に

ご紹介した方法7つとネガティブコントロール反応での確認は、すでにいくつか実施されている方もいらっしゃることと思います。どれもシンプルな方法ですので、DNAコンタミネーションを防ぎ、PCR実験を成功させるためにも、本記事の内容を実施いただく事をお勧めいたします。
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